備前が誇る伝統工芸士で、酒器作りの神様と謳われた中村六郎の備前焼徳利です。とても景色の良い逸品をお安く出品します。お探しだった方はこの機会をお見逃しなく。

景色の良い灰被り窯変をその半身にまとっており、一部では溶岩のように灰が隆起しつつ、一部では鼠色のなまこ肌を形成しています。土味は絶妙な色合いを残しており、三つの抜けそれぞれの色合いが違っています。濡らして楽しむ酒器にふさわしい魅力に満ち溢れた徳利です。また、一輪挿しにも良いかと思います。

中村六郎の作品は、最晩年期では四方が潰れた砂袋のような意匠となりますが、本作はそれよりもやや若く、しっかりと張りのある造形となっているのが特徴です。一旦轆轤の上でオーソドックスな下蕪型にした後に、手でゆっくりと押して六郎備前の代名詞である扁壺型へと変形させており、どっしりとした安定感と独特の色気のある佇まいに仕上げています。

人間国宝の金重陶陽氏に師事し、1961年「六郎窯」を築窯し独立。徳利などの酒器を好んで制作し、そのねっとりとした土味に深い緋色が射す器は好事家を魅了し、「酒器の神様」「徳利の六郎」と呼ばれるほどに人気の高い中村六郎氏。
粗野な気風があるもののその深みある土味は、絶品の美酒を演出する枯淡の味わいがございます。
愛好家、垂涎の秀逸品です。是非、美酒佳肴とともに極上のひとときをお過ごしくださいませ。

口縁3.5×胴径9〜9.5×高さ12cm　
共箱　しおり　共布　有り
＊未使用で飾っていましたので良い状態です。