イギリスの陶芸作家スティーブ・ハリソンのティーポットです。1997年製の初期作品。
こちらは作家ご本人がスタジオで使っているものと同じモデルです(写真12)
現代美術作家の杉本博司さんは自分の作品を世に出す前に古美術と一緒に並べてしばらく生活するらしく、その中でその作品が適うものかどうかを見極めるそうです。
彼に倣いこちらは金代のいわゆる宋赤絵碗と鎌倉の懸仏(写真10)、現代の陶芸家の作品(写真11)と並べてみました。時代を超えて残ることができる普遍的な美しさを持った作品です。

サイズ:全長21cm/高さ15cm
カラー:blue
定価:£2,000GBP

出品にあたり熱湯洗浄しております。
全体として素晴らしい状態ですが、残念ながら蓋下部に直しがあります(使用には支障ありません写真13)注ぎ口の上部にホツがあるように見えますが透明釉は掛かっているので元からあるもののようです(写真9)使用感としましては内側に所々茶渋が見られます。





個人的な見所としましては、腰まわりに散りばめられた小さな自然釉。写真では上手く写せませんが、これはおそらく焼成時に舞った灰によるもので点の周りに淡い黄色を滲ませ良い景色となっています。ヨーロッパはパーフェクトヒューマンである唯一神が作った完璧な美を求めるわけですが(だから左右対称を好む)、陶芸とは火の芸術であり焼いてみないとわからない、、つまり儘ならない物です。完璧に見える装飾の中に偶然の美という産物をみる、焼き物の醍醐味はこの辺りにあると思っています。